WordPress 4.0 における言語関連実装の変更とその注意点

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翻訳バックエンドの強化にともない、WordPress 4.0 では言語関係の実装に多くの変更が行われました。

言語選択機能について

インストール時

WordPress 4.0 英語版ではインストール時に言語選択を行い、その場で言語パック(翻訳ファイル)をダウンロードして自動インストールする画面(Language chooser)が現れます。日本語版では不要な言語選択のステップは省略され、日本語でインストールされることになります。

サイトの言語設定

WPLANG 定数の代わりに、管理画面の 「設定」 > 「一般」 > 「サイトの言語」のドロップダウンからサイトの言語設定を行うように仕様が変更されました。日本語版ではデフォルトで、日本語と English (United States) が選択可能となっています。こちらで English (United States) を選択すると機能的に完全な英語版となり、文字数ベースの抜粋や、WP Multibyte Patch の機能も失われてしまいますので注意が必要です。日本語環境用の機能を残したまま英語表示のみを行いたい場合は、WordPress のローカル言語を変更する際に知っておくべきこと を参考にしてください。

新しい言語の追加方法

以下手順で行います(ドイツ語の例)。

  1. wp-config.php ファイルに define('WPLANG', 'de_DE'); を追加。
  2. 管理画面 wp-admin/options-general.php に行き「サイトの言語」で「Deutsch」を選択し保存。
  3. 管理画面 wp-admin/update-core.php に行き「Update translations」をクリック。
  4. ドイツ語言語パックの自動インストールが開始される。
  5. wp-config.php の WPLANG の記述を削除。

なお、WordPress 4.1 では、英語版インストール時のような言語選択時に翻訳ファイルを自動インストールする機能の実装が予定されており、それにともない WPLANG を用いた言語追加機能は廃止される可能性があります。#29395

WPLANG 定数の扱いについて

WordPress 4.0 より WPLANG 定数の使用は推奨されなくなり、言語の設定は、管理画面の 「設定」 > 「一般」 > 「サイトの言語」から行うことになりました。前述のように、言語追加機能の役割として残っていますが、3.9.x 以前と異なり言語設定のマスターとしての機能はなくなっています。プラグインやテーマ開発者で WPLANG 定数を直接参照するようなコードを書いていた方は、代わりに get_locale() 関数を利用するようにしてください。

更新・インストールの時に日本語版(ja)・英語版(en_US)どちらを使うべきか

ダッシュボードからの更新時

日本語環境で利用中である場合、日本語版・英語版どちらを使っても問題はありません。翻訳ファイルが最新になっていることを確認してください。

インストール時

日本語環境で運用することが決まっている場合、英語版を使用するメリットはありません。迷わず日本語版を使用してください。3.9.x 以前と比べると、英語版を日本語版に変更する作業は楽になりましたが、それでもなお英語版には以下のデメリットあります。

  • インストール時のステップが多い。
  • ネットワークに接続されていない環境では日本語版にできない。
  • インストール時に日本語以外を選択してしまった場合、後に日本語版にするには、前述の言語追加のための手動作業が必要となる(4.1 で改善予定)。
  • WP Multibyte Patch が必要な場合、別途インストールとなる。